まじない食WEB図鑑

旅エッセイスト吉野りり花が訪ねた 日本各地の「祈りの食文化」を紹介します

食べると病除けになる 京都の大根焚き

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京都の「大根焚き」では大根の煮物を食べる病除けになるとされます。

大根焚き」は お釈迦様が悟りを開いた日(十二月八日)の成道会に行われ、

 

鎌倉時代千本釈迦堂で第三世慈禅上人が大根の切り口に釈迦の梵字を書いて供え

悪魔よけとし、焚いて参詣者にふるまったのが始まりとされます。

 

現在でも千本釈迦堂のほか、鳴滝の了徳寺、三寶寺、妙満寺華厳寺など多くの寺院で行われています。

 

大根焚き寺」の別名でも知られる鳴滝の法輪山了徳寺(浄土真宗大谷派)の大根焚きは毎年十二月九日、十日。報恩講として行われます。

鳴滝にやってきた親鸞聖人が念仏の教えを説かれたとき、里の人々は大根を炊いてもてなしたことが始まりと伝わります。

 

一昼夜かけて炊きあげられた大根は、油揚げと一緒に醤油味で煮含めた飴色のとろとろ。例年11時から法要と法話があり、法話を聞きながら大根焚をいただくこともできます。