まじない食WEB図鑑

旅エッセイスト吉野りり花が訪ねた 日本各地の「祈りの食文化」を紹介します

命の意味、食べる意味 坂東報恩寺の「まないた開き」

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包丁式とは平安時代より宮中行事として行われ、

烏帽子・直垂姿の庖丁人が大きなまないたに置かれた食材に手をふれることなく、

庖丁と箸だけで切り分け、めでたい絵柄や漢字を象って並べる儀式です。

現在も生間流、四条流などの庖丁式流派に受け継がれ、

各地の社寺や地域の祭りでも披露されています。

 

上野・坂東報恩寺(浄土真宗大谷派)の「鯉魚料理規式(まないた開き)」は、

包丁式が寺院で行われる例です。

寺院の縁起にちなみ鯉を使って行われます。

 

 

張りつめた雰囲気の中、庖丁人が一切手をふれずに、鯉をさばいていく様子は見物です。

私がたずねた日の式題は「梅見乃鯉」と「長命乃鯉」でした。

法話や鯉こくから、食べることは命をいただくことだと再認識させられました。

 

さばかれた鯉は「鯉こく」にしてふるまわれます。

 

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